ピックアップ事例

調達部門とサプライヤーをつなぐポータルサイトをFastAPPで構築
インターネットを活用した柔軟なシステム環境を実現

株式会社SUBARU様
株式会社SUBARU様

設立:1953年7月
所在地:東京都渋谷区恵比寿1-20-8
事業内容:自動車事業、航空宇宙事業
URL:https://www.subaru.co.jp/

PDF(3.1MB)
SUBARUと約380社のサプライヤーとの双方向コミュニケーションを実現するポータルサイト
導入のポイント
  • 双方向で情報を交換・共有できるサプライヤーポータルをFastAPPで構築
  • テンプレートをベースに機能要求、セキュリティ要求を短納期かつ低コストで実現
  • インターネットからの利用を可能とし、柔軟なシステム環境を実現

「お客様に『安心と愉しさ』を提供するブランド」という理念のもと、トップクラスの品質の自動車とサービスを提供しているSUBARU。群馬製作所で部品の調達を行っている調達本部では、SUBARU自動車部門とサプライヤーを結ぶインフラとして2001年にポータルサイトを構築し利用していましたが、自動車業界を取り巻く情勢の変化により、業務のニーズと合わなくなってきていました。そこで同社はSCSKの超高速開発・実行基盤 「FastAPP」を採用し、サプライヤーとの双方向でのコミュニケーションを実現可能としたサプライヤーポータルを構築。これにより、既存の環境に加えて、インターネットでの利用を可能とした柔軟なシステム環境を実現しました。

  • 高田 博 氏

    株式会社SUBARU
    調達本部
    調達企画部 主査 兼 情報企画部 主査
    高田 博 氏

  • 星野 亜由美 氏

    株式会社SUBARU
    調達本部
    調達企画部 主査(システム企画)
    星野 亜由美 氏

  • 中嶋 潤一 氏

    株式会社スバルITクリエーションズ
    ビジネスソリューション部
    システムサポート4課
    中嶋 潤一 氏

業務のニーズに合わなくなってきたためポータルサイトの更新を検討

 自動車と航空宇宙の2本柱を中心に事業を展開するSUBARU。自動車を製造する群馬製作所では、調達する部品も多岐にわたっており、多くのサプライヤーと取引を行っています。2001年にはポータルサイトを導入し、10数年にわたって利用してきました。しかし、既存システムはSUBARUからサプライヤーへ一方的な情報を発信するしくみになっていたため、相互で情報を交換・共有することが難しいという問題がありました。この点について調達企画部 主査 兼 情報企画部 主査の高田博氏は次のように語ります。

「今後、サプライヤーとは今まで以上の情報連携が求められています。そこで、相互に情報を交換・共有でき、サプライヤーとのコミュニケーションを強化できるツールが必要ではないかと考え、更新を検討することにしました」

 また、既存システムは操作性の面でも課題がありました。調達本部 調達企画部 主査の星野亜由美氏は

「サプライヤーでは操作端末は社内での利用に限定されていました。そのため、営業担当者は外出先で調達に関する事案が発生しても対応ができなかったのです。そこで、環境にとらわれないしくみが必要と考えました」

と当時を振り返ります。
 同社は既存システムの老朽化を機に、SUBARU自動車部門とサプライヤーが双方向でコミュニケーションできるサプライヤーポータルの構築を検討することにしました。

サプライヤーポータルの概要図



カスタマイズ性の高さとテンプレートによる短納期・低コストな導入を評価

 SUBARUは2016年11月から本格的な検討を開始。2017年6月に提案依頼書(RFP)を作成し、ベンダー選びに着手しました。提案を依頼した8社から2社に絞り込み、最終的にSCSKの超高速開発・実行基盤「FastAPP」を採用。その基盤上に新システムを構築することにしました。FastAPPを選定した理由について、SUBARUグループでIT関係の業務を担うスバルITクリエーションズのビジネスソリューション部 システムサポート4課 中嶋潤一氏は次のように説明します。

「第一にカスタマイズ性の高さです。パッケージでは対応できないSUBARU独自の仕様までカバーできるというのは魅力でした。また、実際にシステムの動作がイメージできるモックアップを見せていただけたことも他社との大きな違いです。加えて、テンプレートを活用し短納期かつ低コストで導入できる点も評価しました」

 開発は2017年8月からスタート。テンプレートをベースにカスタマイズを加えていきました。要件定義もプロトタイプの画面を見ながら進めたため、無駄な手戻りが発生することなくスムーズに進んだといいます。

「SCSKのSEは、私たちが何か要望を伝えると、すぐに実際の画面を作って操作できる状態で見せてくれました。おかげで頭の中のイメージと実際とのギャップがつかみやすかったですね」(星野氏)

 なお、FastAPP基盤のプラットフォームには、今後のシステム拡張を見据えて、パブリッククラウドのMicrosoft Azureとし、SCSKのマネージドサービス「FastAPPサービス」を採用しました。

「今後、サプライヤーポータル上に新たな機能を追加する際も、FastAPP基盤上に構築する予定です。そこで初期費用がかからず、リソースを柔軟に拡張でき、国内にデータセンターがあるMicrosoft Azureを採用しました」(中嶋氏)

 2018年2月からはサプライヤー3社を対象にテスト運用を開始。そこでの検証を経て3月から本格稼働を開始しています。




インターネット利用も可能とし利便性の向上、システム機能の拡充で業務課題を解決

 2018年7月現在、約380社、約3,000名が新システムを利用しています。

「今回、既存の専用線によるネットワークに加え、インターネットからの利用を可能としたことで、サプライヤーがシステムを利用する際の敷居は大幅に下がりました。またモバイル機器への対応などによって、当社とサプライヤーとの間で調達関連のやり取りが継ぎ目なくできるようになり、利便性は大幅に向上しました」(高田氏)

 また、システム機能の拡充により、業務課題の多くが解決されました。たとえばID登録はサプライヤーからの申請方式だったものを、サプライヤーが直接登録できるようにしたことでリードタイムが大幅に短縮されました。
 さらに、ユーザのアクセス権限を細分化し、公開先を細かく設定できるようになったことで、必要な情報を必要な相手にのみ公開できるようになり、セキュリティが強化されました。

「加えて、既存システムではユーザがポータルサイトへログインしなければ、情報が更新されているのか確認できませんでしたが、情報の更新はプッシュメールで即座に通知されるため、先方が見逃す心配もありません。これなども情報伝達のスピードアップに寄与しています」(星野氏)

 このほか、チャット機能、ファイル共有機能、ワークフロー機能などが追加されており、使い勝手の良い高度なコミュニケーション機能を追加できたのも、FastAPP上で実際の開発画面を交えて動作を確認しながら開発を進めることができたからだといいます。
 なお、新システムはインターネット回線にも対応しているため、PCだけでなくスマートフォンなどのモバイルデバイスからも利用できるようになりました。セキュリティについてはインターネットを利用しながら専用線と同等のレベルを維持していますが、これはセキュリティが高い水準で担保されているMicrosoft Azureを採用しているからにほかなりません。




サプライヤーポータルの利用者を拡大し社内で情報を一元化

 今後についてSUBARUでは、属人化しやすい情報を共有できるようにし、電話・FAX・eメールに代わる標準ツールとしてサプライヤーポータルを発展させていく予定です。

「利用者を増やして標準ツールとすることで、情報を集めやすくすることが目標です。最終的には、サプライヤーポータルがあれば必要な情報を誰でも見つけられる→だから利用するといったサイクルへと進化させていきたいですね」(星野氏)

 FastAPP基盤を用いることで短期間かつ低コストで立ち上げることに成功したSUBARUのサプライヤーポータル。コミュニケーションのニーズの変化に柔軟に対応できるFastAPPを活用して将来にわたって進化するポータルを構築した同社の事例は、数多くいるサプライヤーとのコミュニケーションを深めたい企業にとって大いに参考になりそうです。




ページトップに戻る